B型肝炎はウィルスを含む血液あるいは血液成分を介して非経口的に感染します。母親がB型肝炎ウィルス保有者(キャリア)である場合は妊娠中あるいは出産時に母子感染が起こります。血液に接する機会の多い医療従事者なども感染する可能性がありますが、性感染症のひとつとしても重要視されております。また、原因不明の感染もあり、日常生活の中でも感染が起こり、涙や唾液も感染源になることが証明されています。WHOは全ての子供たちに接種すべきワクチンとして推奨しています。B型肝炎ウィルスが感染すると小児は成人に比べキャリアになりやすく、将来、慢性肝炎、肝細胞がん、肝硬変を発症します。世界中には日本よりもB型肝炎のキャリアの多い国もたくさんありますので、接種することをお勧めします。定期接種は残念ながら2016年4月以降に生まれた児が対象ですが、対象外の子供達も、思春期の年長児も含めて接種することが強く勧められています。
生後6週(生後42日)から遅くともロタリックスは生後24週(生後168日)までに、ロタテックは生後32週(生後224日)までに接種を完了します。シロップ状の飲む生ワクチンです。少なくとも4週間の間隔をおいてロタリックスは2回、ロタテックは3回接種することが推奨されています。どちらのワクチンも接種期間を過ぎると接種することはできません。この時期に接種すべきワクチンは多いので、ほかのワクチンとの同時接種を考えて、生後2か月からの接種開始がお勧めです。副反応である腸重積症が起こりにくいように、初回接種は遅くとも生後14週6日までに受けることが推奨されています。
2種のワクチンとも、不機嫌(8%)、下痢(3.5-5.5%)、嘔吐(4.2%)と報告されています。他に腸重積症(こどもに多い腸閉塞の一種、血便、腹痛などの症状あり)の発症が増えることが懸念されており、腸重積症が起こりにくい生後24週あるいは生後32週までという低い年齢で接種を完了するように求められています。
3回の接種で、20年以上の有効性が推計されていますが、現時点で証明されている感染予防は7年間です(利用されるようになってからの日が浅いため)。自然感染の数倍量の抗体を12年間維持することも証明されています。
筋肉注射であるために、局所の疼痛(90%)、発赤(47%)、腫脹(43%)の発症頻度は高く、他に疲労感(36%)、筋痛(35%)、頭痛(30%)、胃腸症状(14%)、関節痛(13%)、発熱(7%)、発疹(8.5%)などが認められています。
インフルエンザウィルスは毎年少しずつ変異しながら流行を繰り返しています。また、ときにH1N12009のような新しい型も出現します。日本での流行は12月から3月頃が多いので、少なくとも12月中旬までに接種完了しておくことが、予防の理にかなっています。したがって、2回接種の場合は、10月と11月に一回ずつ、あるいは11月と12月に一回ずつ接種しておくことが、お勧めです。 また、日本のインフルエンザワクチンの発症予防効果はおよそ5ヶ月程度とされていますので、毎年接種が必要となります。世界では2年目以降は一回接種としている国もあるようですが、日本では13歳未満は2年目以降も2回接種が勧められています。
注射部位の紅斑(40〜80%)、注射部位の熱感、腫脹(15〜70%)、注射部位の疼痛(13〜60%)、倦怠感(10%)、発熱(5〜10%) 【卵アレルギーについて】 インフルエンザワクチンは、製造段階で鶏卵を使用しているため、ごく微量の卵白成分が残っています。したがって、強い卵アレルギーのある場合は、皮内テストや分割接種を勧めています。こういった方法でも、全てのアレルギー反応の予測、予防は困難ですが、より安全に接種できると思います。卵によるアナフィラキシー既往のある場合は接種不適当者となります。
0.5mlを1回筋肉注射します。日本での臨床試験は2-55歳を対象としたため、この年齢の方が接種対象です。米国では11〜12歳に1回目の予防接種をすることが推奨されています。その後、16歳で追加接種をしています。
頻度が多い副反応は筋肉注射のため、頭痛、筋肉痛、倦怠感、発熱などです。